ローマから学ぶ

――ローマの栄枯盛衰を一つの時代が起こってから滅ぶまでと捉えた時、現代はどの段階に当たるのでしょうか?

現代はローマの末期に非常に似ている*

新しいテクノロジーである通信機器が信じられないスピードで普及し、社会の制度や働き方も大きく変わってきた*(ローマが衰退し、新しい文明が出てきた状況によく似ている)

変わることを悲観的に捉えて昔の考え方にしがみつくのではなく*手放しで新しい文化に迎合するのでもなく*そのせめぎ合いの中でより良い文化や仕組みを作っていくことが重要*


この変化の時代、たとえ大切にしたいと思う文化や伝統があっても、簡単に継承することはできません。とある20世紀の詩人がこんなことを言っています。「伝統は相続できない、それを望むなら一層の努力が必要である」。努力とは、理論武装なのではないかと思っています。なぜこの伝統を継承すべきかと問われた時に、説得力のある根拠を言えなければ受け入れられない*

誠実さを持って、あらゆる意見や社会の状況を様々な可能性を考慮しながら寛容に受け入れ、その上で洗練していく努力+

永遠というのはありません。だからこそ、自らの強み、価値のある財産を後世に残すため努力を怠らず、その上でより良い次の文化が生まれる土壌を整えることが大事*